2026.10.20
「子宮内膜が薄いと言われた」「胚移植に向けて、もう少し内膜を厚くしたい」そんなお悩みはありませんか。
妊活では子宮内膜の厚さも大切な情報ですが、勉強堂薬局ではその数字だけでなく、生理や基礎体温、冷えなど、体全体の状態にも目を向けています。
今回は、漢方相談を続けながら体外受精で妊娠された34歳Hさんの経過をご紹介します。
子宮内膜が薄いと言われたら、どうすればいいのでしょうか?
こんにちは。
小諸市の勉強堂薬局です。
妊活相談の中で、
「子宮内膜がなかなか厚くなりません」
「内膜が薄いと言われ、胚移植が心配です」
「病院で治療をしていますが、漢方でできることはありますか?」
というご相談をいただくことがあります。
子宮内膜は、受精卵が着床する場所です。
そのため、妊活中、特に体外受精で胚移植を予定している方にとって、子宮内膜の厚さは気になる数字の一つではないでしょうか。
病院では超音波検査によって子宮内膜の厚さを確認し、ホルモンの状態や治療経過などと合わせて、胚移植の時期を判断していきます。
一方、漢方では子宮内膜の厚さだけでなく、毎月の生理や冷え、疲れ、基礎体温なども確認しながら、その方の体質を考えていきます。
「内膜を何mmにするか」という数字だけでなく、今の体がどのような状態なのか。
勉強堂薬局では、そこにも目を向けることを大切にしています。
34歳Hさん、子宮内膜の薄さを指摘されてご相談へ
今回ご紹介するのは、34歳のHさんです。
妊娠を希望されてから4年が経過していました。
それまで病院でタイミング法や人工授精2回に取り組んでいましたが、妊娠には至っていませんでした。
さらに、病院で子宮内膜が薄いことを指摘され、人工授精を続けることが難しい状況となり、勉強堂薬局へ漢方相談に来られました。
初回の相談では、これまでの治療経過に加えて、毎月の生理についても詳しくお聞きしました。
すると、次のような状態がありました。
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経血の色が黒ずんでいる
-
経血に塊が混じる
-
生理が7日以上続く
これらは、漢方で体質を考える際に注目する症状です。
特に経血の黒ずみや塊などから、漢方では**「瘀血(おけつ)」**という状態に目を向けました。
漢方では「瘀血」という体質に着目しました
瘀血とは、漢方でいう「血」の巡りが滞っていると考える状態です。
漢方では、血は全身を養い、潤す働きを持つものと考えます。
そして、その血が滞りなく巡ることを大切にしています。
瘀血の傾向を考える際には、
-
生理痛が強い
-
経血に大きな塊が混じる
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経血の色が暗い
-
肩こりや頭痛がある
-
下腹部に不快感がある
といった症状が参考になります。
Hさんの場合も、経血の黒ずみや塊などがありました。
ただし、経血の状態だけで瘀血と判断できるわけではありません。
また、瘀血は漢方独自の体質の考え方であり、医学的に子宮や骨盤内の血流が悪いことを証明する診断ではありません。
子宮内膜が薄い原因についても、ホルモンの状態や子宮内の状態など、さまざまな要因が関係します。
そのため、子宮内膜が薄いことをすべて瘀血で説明することはできません。
勉強堂薬局では、病院での検査や治療を大切にしながら、漢方の視点からHさんの体質を考えていきました。
漢方相談を続ける中でみられた体の変化
Hさんには、体調や月経の状態を確認しながら漢方を続けていただきました。
漢方を始めて12か月頃。
病院では卵胞の発育について良好な経過が確認され、自力での排卵もみられるようになりました。
そして、その後も相談を続けながら、体外受精へと進まれました。
漢方を始めて26か月頃。
体外受精で採卵を行い、13個の卵子が採れ、そのうち4個の胚を凍結保存することができました。
さらに、胚移植に向けた診察では、子宮内膜の厚さが10mmになっていました。
その後、凍結胚を移植し、妊娠が確認されました。
妊娠後も体調に合わせた漢方相談を継続され、無事に出産されました。
長い期間にわたり妊活に取り組んできたHさんからのうれしいご報告でした。
📌POINT 数字だけでなく、妊娠までの経過にも目を向けて
Hさんの場合、初めは子宮内膜が薄いことを指摘されていましたが、その後の治療では10mmの厚さが確認され、胚移植を経て妊娠に至りました。
また、卵胞の発育や排卵についても、相談を続ける中で変化がみられました。
ただし、こうした変化には病院での治療や自然な周期ごとの変動など、さまざまな要因が関係します。
漢方によって子宮内膜が厚くなった、あるいは妊娠できたと、この経過だけから判断することはできません。
それでも、Hさんが長い期間にわたってご自身の体と向き合い、病院での治療と並行して体調を整える取り組みを続けてこられたことは、大切な経過だと考えています。
子宮内膜は何mmあれば妊娠できるのでしょうか?
子宮内膜の厚さは、妊活中の方からよく質問されることの一つです。
一般に、体外受精の研究では、子宮内膜が非常に薄い場合には妊娠や出産に至る割合が低くなる傾向が報告されています。
ただし、子宮内膜が厚ければ必ず妊娠できるというわけではありません。
また、一定の厚さに達していなければ妊娠できないという明確な境界線があるわけでもありません。
勉強堂薬局では、胚移植に向けた体づくりを考える際、10mm程度を一つの目安としてお話しすることがあります。
しかし、これは医学的に必要とされる絶対的な基準ではありません。
実際には、10mm未満でも妊娠・出産に至る方がいらっしゃいます。
胚移植を行うかどうかは、子宮内膜の厚さだけでなく、治療方法やホルモンの状態、子宮内の所見などを踏まえて担当医が判断します。
💡漢方コラム 子宮内膜の「厚さ」と「質」は同じではありません
子宮内膜について、
「厚さだけでなく、質も大切ですよね?」
と聞かれることがあります。
確かに、着床には子宮内膜の厚さだけでなく、受精卵を受け入れるためのさまざまな条件が関係しています。
ただし、子宮内膜の厚さが分かれば、そのまま内膜の質まで判断できるわけではありません。
また、漢方でいう瘀血や血虚と、医学的な子宮内膜の受容能を直接結びつけることもできません。
漢方相談では、内膜の質を測定するのではなく、生理や基礎体温、冷えなどの状態を確認し、その方の体質に合わせた体づくりを考えていきます。
子宮内膜だけでなく、毎月の生理も確認しています
子宮内膜の厚さが気になる方には、ぜひ毎月の生理にも目を向けていただきたいと思います。
例えば、
「以前より経血量が少なくなった」
「大きな経血の塊がある」
「生理痛が強くなった」
「生理が長く続く」
といった変化はありませんか。
漢方では、こうした月経の状態を体質を考える大切な情報として確認しています。
経血量が少なく、疲れやすさや乾燥などがある場合には、血が不足した状態と考える**「血虚(けっきょ)」**に目を向けることがあります。
一方、生理痛や経血の塊などがある場合には、**「瘀血」**という血の巡りの状態を考えることがあります。
勉強堂薬局では、妊活の体づくりにおいて、
血を「満たすこと」と、その血を「巡らせること」
を大切にしています。
ただし、生理痛や経血の異常には子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症などの病気が関係する場合もあります。
特に生理痛が強い、出血が多い、生理が長引くといった場合には、婦人科で原因を確認することも大切です。
漢方の体質の見方だけで判断しないようにしましょう。
妊活はご夫婦で取り組むことも大切です
Hさんの場合、ご主人も漢方相談を受け、体調に合わせた漢方を服用されていました。
妊活というと、女性の体調や検査結果に目が向きやすいかもしれません。
しかし、妊娠には卵子だけでなく精子の状態も関係します。
そのため、女性だけが体づくりを頑張るのではなく、ご夫婦で生活習慣や健康状態を見直していくことも大切です。
男性の場合も、睡眠不足や喫煙、過度な飲酒、肥満などが健康状態や精液所見に影響することがあります。
また、精液検査で異常を指摘された場合には、泌尿器科などで必要な評価を受けることが大切です。
漢方についても、男性の体調に合わせて相談することはできますが、服用すれば精子の質が必ず改善するというわけではありません。
勉強堂薬局では、ご夫婦それぞれの状況を確認しながら、無理のない体づくりを考えています。
食事からも「血を満たす」ことを意識しましょう
漢方では、食べたものから体に必要な「気」や「血」を養うという考え方があります。
そのため、妊活中の食事も大切にしています。
特に、たんぱく質や鉄、葉酸など、体に必要な栄養素を不足なく取ることを意識しましょう。
例えば、赤身のお肉や魚、卵、大豆製品、緑黄色野菜など、さまざまな食品を組み合わせることが大切です。
ただし、特定の食材をたくさん食べれば子宮内膜が厚くなるというわけではありません。
また、妊活中や妊娠の可能性がある方は、レバーなどに含まれるビタミンAの過剰摂取にも注意が必要です。
無理に特別な食事をするのではなく、毎日の食事をバランスよく取ることから始めてみましょう。
子宮内膜が薄いと言われても、できることを一緒に考えましょう
子宮内膜が薄いと言われると、
「このままでは妊娠できないのではないか」
「胚移植をしても着床しないのではないか」
と、不安になることがあると思います。
しかし、子宮内膜の厚さだけで妊娠の可能性がすべて決まるわけではありません。
Hさんも、初めは子宮内膜の薄さを指摘されていましたが、病院での治療を続けながら漢方相談にも取り組み、その後の胚移植で妊娠に至りました。
勉強堂薬局では、こうした実際の相談経験を大切にしながら、子宮内膜の厚さだけでなく、毎月の生理や基礎体温、冷え、疲れなども確認しています。
🔴 大切なのは、子宮内膜の数字だけにとらわれず、病院での治療とともに、今の自分の体の状態にも目を向けることです。
子宮内膜が薄いと言われた方、胚移植に向けて体調を整えたい方、生理痛や経血の状態が気になる方は、お気軽にご相談ください。
病院での治療状況も確認しながら、赤ちゃんを迎えるための体づくりを一緒に考えていきましょう。
執筆者
平尾 利枝
薬剤師
日本不妊カウンセリング学会 会員
勉強堂薬局で妊活・不妊相談を担当。薬剤師としての知識を生かし、病院での検査や治療状況も確認しながら、漢方の視点からお一人おひとりの体調や体質に合わせた妊活の体づくりをサポートしています。


