2026.10.10
「貧血ではないと言われたのに、冷えや疲れが気になる」「以前より生理の量が少なくなってきた」そんなことはありませんか。
漢方では、こうした体からのサインを考える際に「血虚(けっきょ)」という体質に目を向けることがあります。今回は、妊活でも大切にしている「血を満たす」という考え方をご紹介します。
「血虚」とは、血が不足している状態のこと
こんにちは。
小諸市の勉強堂薬局です。
漢方相談をしていると、冷えや疲れ、生理の変化など、さまざまな体調のお悩みをお聞きします。
その中で、私たちが体質を考える際によく注目するのが、**「血虚(けっきょ)」**です。
漢方には「気・血・水」という考え方があります。
「気」は体を動かすエネルギーのようなもの、「血」は全身に栄養や潤いを届けるもの、「水」は血以外の体液や潤いに関係するものとして考えます。
このうち「血」が不足した状態を、漢方では血虚と呼びます。
ただし、ここでいう「血」は、現代医学の血液とまったく同じ意味ではありません。
漢方の血虚は、単に血液の量が少ないという意味ではなく、体を養い、潤す働きが不足していると考える状態です。
そのため、病院で貧血を指摘されていなくても、漢方では血虚の傾向を考えることがあります。
血虚体質には、どのようなサインがあるのでしょうか?
血虚の方にみられると漢方で考えられている症状には、次のようなものがあります。
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手足やお腹が冷えやすい
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顔色が青白い、血色がよくない
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肌が乾燥しやすい
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髪にツヤがなく、パサつきやすい
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爪が薄く、割れやすい
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めまいや立ちくらみがある
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疲れやすい
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眠りが浅い
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経血量が少ない
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気持ちが落ち込みやすい
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便が乾燥して出にくい
もちろん、これらの症状があるからといって、必ず血虚というわけではありません。
例えば、疲れやすさには睡眠不足や貧血、甲状腺の病気などが関係することもあります。
冷えや乾燥、めまいなども原因はさまざまです。
漢方相談では、一つの症状だけで判断するのではなく、いくつかの症状がどのように重なっているかを確認していきます。
「血虚」と「貧血」は同じではありません
ここは、よく誤解されるところです。
「血虚と言われたということは、貧血なのでしょうか?」
というご質問をいただくことがあります。
貧血は、血液中のヘモグロビン濃度などをもとに医学的に判断する状態です。
一方、血虚は、冷えや乾燥、疲れ、月経の状態などから考える漢方の体質の一つです。
そのため、血虚と貧血は必ずしも一致しません。
貧血がなくても血虚の傾向を考えることがありますし、貧血がある場合には医学的な原因を調べる必要があります。
特に妊活中の方で、経血量が多い、疲れやすい、立ちくらみがあるといった場合には、鉄欠乏などが隠れている可能性もあります。
必要に応じて血液検査を受け、鉄欠乏性貧血などがあれば適切な治療を受けることも大切です。
📌POINT 検査で異常がなくても、体調の悩みはありませんか?
病院で検査を受けて「特に異常はありません」と言われても、
「冷えが強い」
「疲れが取れない」
「生理の量が以前より少ない」
といった悩みが残っていることがあります。
そのようなとき、漢方では検査結果とは別の視点から、今の体の状態を考えていきます。
ただし、検査で異常がないことが、血虚という体質の証明になるわけではありません。
病院の検査と漢方の体質の見方は、それぞれ役割が異なるものです。
漢方の「補血」とは、血液を増やすこと?
では、血虚に対して漢方ではどのように考えるのでしょうか。
漢方には、**「補血(ほけつ)」**という考え方があります。
不足していると考えられる「血」を補い、体を養う働きを支えることを目的としたものです。
そのために用いられる処方や生薬を、補血薬と呼ぶことがあります。
ただし、補血薬を服用したからといって、医学的な意味で血液量やヘモグロビンが必ず増えるということではありません。
血虚という体質そのものも、血液検査の一つの数字で測定できるものではないからです。
では、どのように変化を確認するのでしょうか。
勉強堂薬局では、相談の中で、
「以前より冷えを感じにくくなったか」
「疲れやすさはどうか」
「朝の目覚めはどうか」
「肌や髪の乾燥はどうか」
「生理の状態は変化しているか」
といったことを確認しています。
数字だけでは表しにくい、日頃の体調の変化にも目を向けること。
それが漢方相談の大切なところだと考えています。
妊活では、なぜ「血を満たすこと」を大切にするのでしょうか?
妊活相談で特に気になるのが、毎月の生理の状態です。
例えば、
「以前より経血量が少なくなった」
「生理が短い日数で終わるようになった」
「生理周期が変化してきた」
といったご相談があります。
こうした変化には、年齢やホルモンの状態、子宮内膜の状態など、さまざまな要因が関係します。
そのため、経血量が少ないからといって、必ず血虚というわけではありません。
しかし漢方では、月経の状態を体質を考える大切な情報として捉えています。
体に必要な血が十分にあるのか。
その血が滞りなく巡っているのか。
この二つを、妊活の体づくりで大切にしています。
妊娠には卵子や精子、排卵、受精、着床など多くの要因が関係するため、血虚を整えることで妊娠できると断定することはできません。
それでも、妊活を続ける中で冷えや疲れ、月経の変化などが気になっている方にとって、自分の体調を見直すことは大切です。
「血を満たす」だけでなく「巡らせる」ことも
勉強堂薬局では、妊活相談の中でよくお話ししていることがあります。
それが、
血を「満たすこと」と「巡らせること」
です。
漢方では、血が不足した状態を「血虚」、血の巡りが滞った状態を「瘀血(おけつ)」と考えます。
例えば、経血量が少なく、肌や髪の乾燥、疲れやすさがある一方で、強い生理痛や経血の塊もある方がいらっしゃいます。
このような場合、漢方では血虚と瘀血の両方を考えることがあります。
つまり、
必要な血が不足しているのに、その巡りもよくない。
そんな状態を考えることもあるのです。
そのため、単純に血を補えばよい、あるいは血を巡らせればよいというわけではありません。
その方の月経や基礎体温、冷え、疲れ、胃腸の状態などを確認しながら、どのような体づくりが必要なのかを考えていきます。
💡漢方コラム 血を満たすために、胃腸も大切に
漢方では、食べたものから体に必要な「気」や「血」を養うという考え方があります。
そのため、血虚を考える際には、胃腸の状態にも目を向けます。
食欲はあるか。
食事をきちんと取れているか。
胃もたれや下痢はないか。
無理な食事制限をしていないか。
こうしたことも大切です。
妊活中だからといって特別な食材ばかりを意識するのではなく、たんぱく質や鉄など必要な栄養素を含む食事を、無理なくバランスよく取ることを心がけましょう。
「血虚かもしれない」と感じたら
妊活中は、どうしても病院の検査結果やホルモン値など、数字に意識が向きやすくなります。
もちろん、それらは妊娠を考えるうえで大切な情報です。
しかし、それと同じように、
毎月の生理はどうか。
以前より疲れやすくなっていないか。
手足やお腹の冷えはどうか。
肌や髪の乾燥はどうか。
十分に食事や睡眠が取れているか。
といった、日頃の体調にも目を向けてみてください。
🔴 漢方では、血虚を考える際に「血を満たす」という視点を大切にします。
そして勉強堂薬局では、満たすことだけでなく、必要な血を「巡らせること」も合わせて考えています。
「貧血ではないけれど、冷えや疲れが気になる」
「以前より生理の量が少なくなってきた」
「自分が血虚体質なのか知りたい」
そんな方は、お気軽にご相談ください。
病院での検査や治療状況も確認しながら、今の体の状態を一緒に考えていきましょう。
執筆者
平尾 利枝
薬剤師 日本不妊カウンセリング学会 会員
勉強堂薬局で妊活・不妊相談を担当。薬剤師としての知識を生かし、病院での検査や治療状況も確認しながら、漢方の視点からお一人おひとりの体調や体質に合わせた妊活の体づくりをサポートしています。


