2026.09.18
「アプリで生理日や排卵予定日が分かるから、基礎体温は測っていません」という方も増えています。
でも勉強堂薬局では、妊活相談の中で基礎体温表を大切な情報の一つとして確認しています。それは、排卵日を当てるためだけではありません。
基礎体温は「排卵日を当てるため」だけのものではありません
こんにちは。
小諸市の勉強堂薬局です。
妊活相談をしていると、
「基礎体温って、つけた方がいいですか?」
「以前つけていたけれど、ガタガタしていて見るのが嫌になってやめました」
「アプリで排卵予定日が出るので、測っていません」
というお話をよく伺います。
今は生理日を入力するだけで、次の生理予定日や排卵予定日を予測してくれる便利なアプリがあります。
毎朝同じような時間に体温を測るのは大変ですから、基礎体温をつけていないという方もいらっしゃるでしょう。
ただ、勉強堂薬局では妊活相談の中で、基礎体温表を体の状態を考えるための大切な情報の一つとして見ています。
なぜなら、基礎体温から分かるのは「排卵日がいつ頃なのか」だけではないからです。
低温期から高温期へどのように移行しているのか。
高温期はどのくらい続いているのか。
低温期と高温期の差はどうなのか。
前の周期と比べて変化しているのか。
こうした周期全体の流れを見ることで、生理日だけを記録していると気づきにくい体の変化が見えてくることがあります。
生理周期が同じでも、基礎体温は同じとは限りません
例えば、毎月ほぼ28日周期で生理が来ている方がいたとします。
アプリ上では毎月ほぼ同じ時期に排卵予定日が表示されるかもしれません。
しかし、実際の排卵日は毎周期必ず同じとは限りません。
体調やストレスなどによって排卵の時期が変化することもあります。
基礎体温を記録していると、
「今月は高温期への移行がいつもより遅かった」
「先月より低温期が長かった」
「今回は高温期がいつもより短かった」
といった違いに気づくことがあります。
つまり、
「生理周期が毎月ほぼ同じ=毎周期まったく同じ状態」
とは限らないのです。
特に自然妊娠を希望してタイミングを取っている方にとっては、アプリの予測日だけに頼るのではなく、基礎体温やおりもの、必要に応じて排卵検査薬など、複数の情報を参考にすることが大切です。
📌POINT 体温が一番下がった日=排卵日ではありません
「基礎体温がガクッと下がった日が排卵日ですよね?」
と聞かれることがあります。
しかし、必ずしも一番体温が下がった日が排卵日になるわけではありません。
排卵後は黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響によって体温が上昇するため、基礎体温を継続して記録することで、低温期から高温期への変化を振り返ることができます。
ただし、基礎体温だけで排卵した瞬間や正確な排卵日を特定することはできません。
そのため、自然妊娠を希望されている方には、「排卵日を一点で当てる」のではなく「排卵時期」として考えることをおすすめしています。
勉強堂薬局では、基礎体温の「ここ」を見ています
では、実際の妊活相談では基礎体温表のどこを見ているのでしょうか。
勉強堂薬局では、主に次のようなところを確認しています。
① 低温期はどのように推移しているか
低温期の体温が比較的安定しているのか、それとも上下が大きいのかを確認します。
一日だけ体温が高い・低いということより、低温期全体としてどのようなグラフになっているかを見ることが大切です。
② 高温期へどのように移行しているか
低温期から高温期へ比較的スムーズに移行している方もいれば、何日かかけて徐々に上がっていく方もいます。
勉強堂薬局では、その変化をおりものや生理周期などと合わせて確認しています。
③ 低温期と高温期の二相性がみられるか
排卵後は黄体ホルモンの影響によって体温が上がるため、一般的には低温期と高温期の二相に分かれます。
ただ、実際の基礎体温は教科書のグラフのようにきれいに分かれる方ばかりではありません。
「何℃なら正常」という一日の数字だけを見るのではなく、周期全体の流れを見ることが大切です。
④ 高温期はどのくらい続いているか
高温期がどの程度続いているのかも確認します。
高温期が毎回かなり短い、二相性がはっきりしないなど気になる状態が続く場合には、基礎体温だけで判断せず、婦人科で排卵やホルモンの状態を確認することも大切です。
⑤ 生理が始まる頃の体温はどうか
生理が始まる前後に、基礎体温がどのように変化しているかも見ています。
「生理が始まったのに体温がなかなか下がらない」
「いつもと違う動きをしている」
など、毎周期記録しているからこそ気づける変化もあります。
⑥ 前の周期と比べてどう変わったか
勉強堂薬局で特に大切にしているのが、以前の自分との比較です。
一回の基礎体温表だけを見て、
「良い」「悪い」
と判断するのではありません。
漢方を始める前と比べてどうなのか。
1か月前、3か月前と比べてどう変わってきたのか。
基礎体温だけでなく、生理痛や経血の状態、冷え、疲れなどの変化も一緒に確認します。
基礎体温と「生理」を一緒に見ることが大切です
基礎体温だけを見ていても、分からないことがあります。
だからこそ勉強堂薬局では、毎月の生理についても詳しくお聞きします。
例えば、
- 生理周期
- 経血量
- 経血の色
- 大きな塊の有無
- 生理痛
- 生理前の体調
- おりもの
- 冷え
- 疲れやすさ
などです。
例えば基礎体温が以前より安定してきた時期に、
「生理痛も以前より楽になった」
「大きな経血の塊が少なくなった」
「冷えを感じにくくなった」
といった体調の変化が一緒にみられることもあります。
反対に、基礎体温だけを見るとそれほど変わっていなくても、月経や体調には変化が出ていることもあります。
そのため、基礎体温表だけで体質を判断するのではなく、月経や日頃の体調と一緒に見ていくことを大切にしています。
漢方では基礎体温から何を見るのでしょうか
漢方では、基礎体温を一つの検査値として見るのではありません。
月経や冷え、疲れ、胃腸の状態、睡眠、ストレスなどと組み合わせながら、その方の体質を考える材料の一つとして使います。
例えば、
必要な「血」が不足していないか。
血の巡りが滞っていないか。
体を支える「気」が不足していないか。
ストレスによって「気」の巡りが悪くなっていないか。
こうした漢方でいう「気・血」の状態を、基礎体温だけで決めるのではなく、実際に現れているさまざまな体のサインと合わせて考えていきます。
勉強堂薬局では妊活の体づくりとして、
🔴 必要な血を「満たすこと」と、その血をしっかり「巡らせること」
を大切にしています。
基礎体温も、その体づくりがどのように変化しているのかを一緒に見ていくための一つの情報です。
💡基礎体温だけで病気を診断することはできません
基礎体温がガタガタしていると、
「何か病気があるのでは?」
と心配になる方もいらっしゃいます。
しかし、基礎体温表だけからPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)や黄体機能不全、甲状腺疾患、子宮内膜症などを診断することはできません。
また、睡眠不足、測定時間の違い、夜中に目が覚めた、飲酒、風邪など、さまざまな要因で体温は変化します。
気になる状態が何周期も続いている場合には、基礎体温を一つのきっかけとして婦人科で相談してみることも大切です。
病院での検査と漢方相談は、どちらか一つを選ぶものではありません。
病院では必要な検査を受け、漢方では日頃の体調や体質を確認する。
両方を上手に活用していきましょう。
「きれいな基礎体温」を作ることが目的ではありません
ここは、とても大切なところです。
基礎体温を毎日つけていると、
「今日は0.2℃下がってしまった」
「昨日より低いからダメなのかな」
「高温期なのにガタガタしている」
と、一日の数字に一喜一憂してしまうことがあります。
でも、基礎体温は毎日まったく同じ条件で測れるものではありません。
少しくらい上下することはあります。
ですから、
教科書のようなきれいな二相のグラフを作ること自体が妊活の目的ではありません。
一日の数字を見るのではなく、
「この周期全体はどうだったのか」
そして、
「以前の自分と比べてどう変化しているのか」
を見ることが大切です。
基礎体温を測ること自体が大きなストレスになっている場合には、そのことも相談の中でお話しください。
毎朝測れなかった日があったとしても、「続けられなかったから意味がない」と考える必要はありません。
基礎体温は「今の自分」を知るための記録です
妊活中の基礎体温は、排卵日を当てるためだけのものではありません。
低温期、高温期、その移行の仕方、生理との関係、そして前周期からの変化。
こうした情報を継続して見ることで、今の自分の体を振り返る一つの材料になります。
特に、
「生理周期は毎月ほぼ同じだから問題ないと思っていた」
という方でも、基礎体温をつけてみることで初めて気づく変化があるかもしれません。
ただし、大切なのは基礎体温の数字だけではありません。
生理はどうだったか。
冷えはどうだったか。
疲れやすさは変わったか。
眠れているか。
おりものはどうか。
こうした体からのサインも一緒に見ていきましょう。
🔴 基礎体温は、「良い・悪い」を決めるためのものではなく、今の自分の体を知るための一つの記録です。
勉強堂薬局では、基礎体温表と毎月の生理、日頃の体調を一緒に確認しながら、赤ちゃんを迎えるための体づくりを考えています。
「基礎体温を測っているけれど、見方がよく分からない」
「高温期が短い気がする」
「ガタガタしているのが気になる」
そんな方は、今までつけてきた基礎体温表をお持ちになって、お気軽にご相談ください。
執筆者
柴崎 公美子
登録販売者
日本不妊カウンセリング学会 会員
サプリメントアドバイザー
勉強堂薬局で妊活・不妊相談を担当。病院での治療と併用しながら、お一人おひとりの体質や生活習慣に合わせた漢方相談に取り組んでいます。


