2026.09.04
生理が来た日だけを記録して、経血の量や色、塊、生理痛などはあまり気にしていない方も多いのではないでしょうか。
妊活では、生理周期だけでなく「どんな生理だったか」も大切な情報です。季節の変わり目をきっかけに、毎月の生理を少し丁寧に見てみましょう。
季節の変わり目だからこそ、いつもの生理を振り返ってみましょう
こんにちは。
小諸市の勉強堂薬局です。
9月に入り、日中はまだ暑い日があっても、朝晩には少しずつ涼しさを感じるようになってきました。
夏から秋へ移り変わるこの時期は、朝晩と日中の気温差に加えて、夏の暑さによる疲れや睡眠不足、冷房による冷えなどが残っている方もいらっしゃいます。
妊活相談でも、
「今回はいつもより生理痛がありました」
「経血に塊が出ました」
「生理の量が少なかった気がします」
「生理の終わりがいつもよりすっきりしませんでした」
など、月経についてのお話を伺うことがあります。
もちろん、一周期だけの変化で体質や不妊の原因を判断することはできません。
私たちが大切にしているのは、普段の自分の生理がどのような状態なのかを知っておくことです。
いつもの状態を知っているからこそ、
「今月は少し違う」
「ここ数か月、経血量が減っている」
「以前より塊が増えている」
といった変化にも気づくことができます。
漢方では、毎月の生理は現在の体調や体質を考えるための大切な情報の一つです。
今回は、妊活中の方に普段から確認していただきたい、生理の5つのポイントをご紹介します。
① 経血量――いつもの自分と比べてどうですか?
まず確認していただきたいのが、経血量です。
経血量は人によって違いますし、同じ方でも周期によって多少の変化があります。
そのため、「何mlなら大丈夫」と数字だけを気にするよりも、普段の自分と比較してみることが大切です。
例えば、
- 以前より明らかに経血量が減ってきた
- 2~3日目でもほとんど量が増えない
- 生理の日数そのものが短くなってきた
- 反対に、以前より量がかなり増えた
などの変化が続いていないでしょうか。
漢方では、月経量が少ない場合、「血虚(けっきょ)」という血が不足した体質を考えることがあります。
漢方でいう「血」は、現代医学でいう血液とまったく同じ意味ではなく、全身に栄養や潤いを届ける働きを含めた考え方です。
月経量が少ないことに加えて、
疲れやすい、顔色が淡い、肌や髪が乾燥する、爪が割れやすい、眠りが浅いなどの状態がみられる場合には、こうした症状も合わせて体質を考えていきます。
ただし、月経量の変化にはさまざまな原因があります。
極端に量が少なくなった、反対に出血量が非常に多くなったなど、以前と大きく変わった状態が続く場合には、婦人科で相談することも大切です。
② 経血の色――毎月確認していますか?
次に見ていただきたいのが経血の色です。
「生理は来たけれど、色までは見ていません」
という方も意外といらっしゃいます。
漢方相談では、経血の色についてもお聞きします。
鮮やかな赤なのか。
暗い赤色なのか。
茶色っぽい出血から始まるのか。
生理の終わり頃まで茶色い出血が続くのか。
経血の色だけで体質を決めることはありませんが、ほかの症状と組み合わせることで、現在の体を考える手がかりになります。
例えば、暗い色の経血や塊、生理痛などが一緒にみられる場合には、漢方では「瘀血(おけつ)」という血の巡りが滞った状態を考えることがあります。
反対に、経血の色が淡く、月経量も少なく、疲れやすさなどがある場合には「血虚」を考えることがあります。
大切なのは、
「この色だから、この体質」と自分で決めつけないことです。
毎月なんとなくでも見ておくことで、「以前と違う」という変化に気づきやすくなります。
③ 経血の塊――大きさや回数に変化はありませんか?
生理中に、ゼリー状の血の塊が出ることがあります。
小さな塊が時々出るだけであれば、それだけで病気というわけではありません。
一方で、
「以前より大きな塊が増えた」
「毎回たくさん出る」
「塊と一緒に強い生理痛がある」
といった変化があれば、普段から記録しておくとよいでしょう。
漢方では、経血の塊も「瘀血」を考える手がかりの一つです。
ただし、経血の塊や出血量の増加、強い生理痛などは、子宮筋腫や子宮内膜症などでみられることもあります。
そのため、漢方だけで「血流が悪いから」と判断するのではなく、症状が強い場合や以前から大きく変化した場合には、婦人科で原因を確認することが大切です。
病院で異常がないことを確認したうえで、
生理痛はどうか。
冷えはないか。
基礎体温はどうか。
疲れやストレスはどうか。
といった情報を組み合わせながら、漢方では現在の体質を見ていきます。
④ 生理痛――「いつものこと」で終わらせていませんか?
妊活相談で生理痛について伺うと、
「昔からなので普通だと思っていました」
とお話しされる方がいらっしゃいます。
毎月のことなので、いつの間にか痛みがあることに慣れてしまっている方も少なくありません。
しかし、
- 痛み止めがないと仕事や家事ができない
- 寝込むほど痛い
- 以前より痛みが強くなっている
- 生理以外の時期にも下腹部痛がある
といった場合には、「いつものこと」と我慢せず、婦人科で相談してください。
一方、漢方では、生理痛がどのような痛みなのかも詳しく確認します。
生理が始まる前から痛むのか。
生理が始まってから痛むのか。
刺すような痛みなのか。
重く鈍い痛みなのか。
温めると楽になるのか。
経血が出ると楽になるのか。
同じ「生理痛」でも、その方によって状態は違います。
漢方では、瘀血だけでなく、冷えや気血の不足、ストレスなども含めて体質を考えていきます。
そして妊活中だからこそ、「生理痛があるのが私の普通」と思わず、以前より強くなっていないかを確認する習慣をつけていただきたいと思います。
⑤ 生理の終わり方――すっきり終わっていますか?
意外と見落とされやすいのが、生理の「終わり方」です。
「生理は何日間ですか?」
と聞かれると、始まった日から完全に出血がなくなる日までを答える方が多いと思います。
でも、その中身を少し詳しく振り返ってみてください。
例えば、
「最初の2~3日は普通に出るけれど、その後茶色い出血が何日も続く」
「一度止まったと思ったら、また少量出血する」
「以前よりすっきり終わらなくなった」
といったことはないでしょうか。
漢方では、このような生理の終わり方も体質を考えるための情報になります。
血の巡りを表す「瘀血」や、体を動かす力が不足した「気虚」など、ほかの症状と合わせて考えることがあります。
もちろん、不正出血など病気との区別が必要な場合もあります。
月経以外の出血がある、出血が長く続く、これまでと明らかにパターンが変わったといった場合には、まず婦人科で確認してください。
生理と基礎体温は一緒に見てみましょう
勉強堂薬局では、妊活相談の際に生理の状態とともに、基礎体温表も大切な資料として拝見しています。
なぜなら、生理だけ、基礎体温だけを見るよりも、両方を一緒に振り返ることで、その周期の体調を考えるための情報が増えるからです。
例えば、
「今月は経血量が少なかった」
という周期に、
「高温期もいつもより短かった」
という変化があるかもしれません。
反対に、
「以前は低温期と高温期の差が分かりにくかったけれど、最近は二相が分かりやすくなってきた」
という変化とともに、
「生理痛が以前より軽くなった」
「経血の塊が少なくなった」
といった体調の変化がみられることもあります。
もちろん、基礎体温は睡眠時間や測定時刻、その日の体調などにも影響されます。
一周期だけを見て「良くなった」「悪くなった」と判断するのではなく、何周期か続けて、生理と基礎体温の両方を見ることが大切です。
勉強堂薬局では、
- 低温期と高温期の二相性
- 高温期への移行
- 高温期の日数や安定性
- 月経周期
- 経血量や色
- 経血の塊
- 生理痛
などを確認し、さらに冷え、睡眠、胃腸、疲れ、ストレスなども含めて現在の体の状態を考えています。
「生理が来た」だけで終わらせないで
妊活中は、生理が来ると気持ちが落ち込んでしまうことがあります。
「今回もダメだった」
そう思って、生理について詳しく見る気持ちになれないこともあるでしょう。
でも、生理は「妊娠できなかった結果」だけではありません。
その周期を自分の体がどのように過ごしてきたのかを振り返るための、大切な情報でもあります。
今月の経血量はどうだったか。
色はどうだったか。
塊はなかったか。
生理痛はどうだったか。
すっきり終わったか。
基礎体温はどのように変化したか。
毎月少しずつ確認しておくと、数か月前の自分との違いにも気づきやすくなります。
特に季節の変わり目には、
「夏と比べて冷えを感じるようになった」
「食欲が戻ってきた」
「眠りやすくなった」
など、体調そのものにも変化が出ることがあります。
そうした変化と生理を一緒に振り返ってみることも、自分の体を知る一つの方法です。
「生理が来た・来なかった」だけではなく、「どんな生理だったか」を見てみること。
そして、いつもの自分を知っておくこと。
勉強堂薬局では、毎月の生理や基礎体温、日々の体調の小さな変化を確認しながら、お一人おひとりの妊活の体づくりを一緒に考えています。
執筆者
柴崎 公美子
登録販売者
日本不妊カウンセリング学会 会員
サプリメントアドバイザー
勉強堂薬局で妊活・不妊相談を担当。病院での治療と併用しながら、体質や生活習慣に合わせた漢方相談に取り組んでいます。


