2026.08.17
こんにちは。
小諸市の勉強堂薬局です。
妊活のために漢方を始めた方から、
「漢方を飲んでいますが、まだ妊娠していないので、変わっていないということでしょうか?」
と聞かれることがあります。
妊活をしていれば、一番望んでいる結果が「妊娠」であることは当然だと思います。
毎月、生理予定日が近づくたびに期待して、生理が来ると「今月もダメだった」と落ち込んでしまう。
病院で治療をされている方なら、採卵数や受精結果、胚の状態など、さまざまな数字が気になることもあるでしょう。
しかし、妊活のための体づくりが進んでいるかどうかを、妊娠した・しなかっただけで判断する必要はありません。
私たちが漢方相談を続けていると、
「そういえば、生理痛が前より楽です」
「最近、お腹が冷たくなくなりました」
「朝起きるのが少し楽になりました」
など、妊娠という結果より先に、体の小さな変化をお聞きすることがあります。
今回は、勉強堂薬局が妊活の体づくりでどのような変化を大切にしているのかをご紹介します。
まず見てほしいのは「毎月の生理」の変化
妊活中は、生理が来ると「今回も妊娠できなかった」と思ってしまい、生理そのものを詳しく見る余裕がなくなってしまうことがあります。
しかし漢方では、生理はその方の体質を知るための大切な情報の一つです。
例えば、
- 生理痛が以前より軽くなった
- 経血の大きな塊が減ってきた
- 経血の色が変わってきた
- 生理がダラダラ続かなくなった
- 生理前の頭痛やイライラが軽くなった
など、以前の自分と比べてみると変化に気付くことがあります。
漢方では、生理痛や経血の塊などがみられる場合、「瘀血(おけつ)」という血の巡りの滞りを考えることがあります。
反対に、生理量が少ない、経血の色が薄い、顔色が悪い、疲れやすいなどが重なる場合には、「血虚(けっきょ)」という血が不足した状態を考えることもあります。
大切なのは、「理想の生理と比べてどうか」だけではありません。
3か月前、6か月前の自分と比べてどう変わっているのか。
その変化を見ることも、体づくりを考える一つの目安になります。
「冷え方」が変わってきていませんか?
冷えについても、妊活相談ではよくお聞きします。
「昔から冷え性だから」
と当たり前のように思っている方も少なくありません。
しかし漢方では、冷えにもさまざまなタイプがあると考えます。
手足の先だけが冷たい方。
手足は温かいのに、お腹を触ると冷たい方。
腰や太ももなど下半身が冷える方。
手足もお腹も全身が冷える方。
勉強堂薬局では、単に「冷え性ですか?」と聞くだけではなく、どこが、いつ、どのように冷えるのかも確認しています。
漢方や生活習慣を見直していく中で、
「以前ほど足先が冷たくありません」
「下腹を触ったときの冷たさが違います」
「今年は冷房の中にいても、以前ほどつらくありません」
という変化がみられることがあります。
冷えがあるから妊娠できない、冷えがなくなれば妊娠できる、という単純なものではありません。
それでも、以前から気になっていた冷え方が変わってきたのであれば、体調の変化を知る一つのサインとして大切にしています。
基礎体温にも少しずつ変化が現れることがあります
勉強堂薬局では、妊活相談の際に基礎体温表も大切な資料として拝見しています。
漢方を続けながら体調を確認していると、
「低温期と高温期が以前より分かりやすくなってきた」
「高温期への上がり方が以前よりスムーズになった」
「高温期のギザギザが少なくなってきた」
「高温期が以前より安定して続くようになった」
など、基礎体温表にも変化がみられることがあります。
例えば、以前ご相談いただいた36歳の女性では、夏になると下痢や軟便、下腹部の冷え、疲れやすさがあり、基礎体温も低温期と高温期の差が小さく、二相性が分かりにくい状態でした。
そこで、漢方と生活習慣の見直しによって夏の体調を整えることから始めました。
その後、下腹部の冷えなどの体調に変化がみられるのとともに、基礎体温も低温期と高温期の差が徐々に分かりやすくなり、高温期が安定して続く周期がみられるようになりました。
この方は、その後自然妊娠に至っています。
もちろん、これは一つの相談例であり、基礎体温が整えば妊娠するという意味ではありません。
また、基礎体温は睡眠時間や測定時間、その日の体調などにも影響されるため、一日の数字だけを見て判断するものでもありません。
私たちが大切にしているのは、何周期かを通して、
-
低温期と高温期の二相がどのように現れているか
-
排卵後、高温期へどのように移行しているか
-
高温期がどのように続いているか
-
体温の上下が大きくないか
-
季節によって特徴的な変化がないか
といった基礎体温全体の流れを見ることです。
そして基礎体温だけではなく、生理、冷え、胃腸、睡眠、疲れやすさなどの変化と照らし合わせながら、現在の体の状態を考えていきます。
基礎体温は「妊娠した・しなかった」を判断するためだけの記録ではありません。
体づくりの途中で起きている小さな変化に気付くための、大切な資料の一つだと勉強堂薬局では考えています。
胃腸や便通も、妊活の体づくりでは大切です
「妊活なのに、なぜ胃腸を見るのですか?」
と思われるかもしれません。
漢方では、食事から体に必要な「気」や「血」をつくるためには、胃腸がしっかり働いていることが大切だと考えます。
例えば、
「下痢をしなくなった」
「便通が整ってきた」
「食欲が出てきた」
「食後の胃もたれが減った」
という変化も、私たちは大切にしています。
特に夏は、冷たい飲み物や食べ物が増え、胃腸の調子を崩す方も少なくありません。
栄養のあるものを一生懸命食べても、胃腸の状態が悪ければ、十分に取り込めないこともあります。
妊活というと「卵子のために何を食べればいいのか」と考えがちですが、その前に、毎日の食事をきちんと食べ、消化し、必要な栄養を取り込める体であることも大切な土台だと考えています。
「疲れにくくなった」「眠れるようになった」も大切な変化です
妊娠とは直接関係がなさそうに思える変化も、私たちは大切にしています。
例えば、
「朝起きるのが以前より楽になった」
「仕事から帰っても、前ほどぐったりしなくなった」
「夜中に目が覚めることが減った」
「以前よりよく眠れるようになった」
といった変化です。
妊活中は病院への通院や仕事との両立などで、思っている以上に体力を使っています。
漢方では、疲れやすい、食欲がない、朝起きるのがつらいといった状態から「気虚(ききょ)」という体力やエネルギーが不足した状態を考えることがあります。
また、睡眠の状態も体調を知るための重要な情報です。
「妊娠できたか」だけではなく、以前より元気に一日を過ごせるようになったか、きちんと休めるようになったかも振り返ってみてください。
妊活を「完璧にやらなければ」と思いすぎないこと
妊活について調べれば調べるほど、
「これは食べない方がいい」
「これを食べた方がいい」
「運動しなければ」
「睡眠を改善しなければ」
と、やるべきことが増えていきます。
一生懸命取り組むことは悪いことではありません。
しかし、すべてを完璧にやろうとして、それ自体が大きな負担になってしまうこともあります。
勉強堂薬局では、生活習慣についても、その方が無理なく続けられることから取り組んでいただくことを大切にしています。
朝食を少し変えてみる。
冷たい飲み物を少し減らしてみる。
寝る時間を少し早くしてみる。
できる日に少し歩いてみる。
そして、
「やってみたら朝が楽になりました」
「これは自分には合っているみたいです」
と、自分の体の変化に気付いていく。
誰かの「妊活に良い生活」を完璧にまねするのではなく、自分の体に合った習慣を見つけていくことも、体づくりの一つだと考えています。
妊娠という結果だけで、今までの頑張りを判断しないでください
妊活をしている以上、妊娠を望むのは当然のことです。
だからこそ、生理が来ると、
「今月もダメだった」
「何も変わっていない」
と思ってしまうことがあります。
でも、一度少しだけ振り返ってみてください。
半年前と比べて、生理痛はどうでしょうか。
冷え方はどうでしょうか。
基礎体温はどうでしょうか。
胃腸の調子や便通はどうでしょうか。
朝の疲れや睡眠はどうでしょうか。
一つでも、
「そういえば、以前より少し楽かもしれない」
ということがあれば、それも大切な体の変化です。
もちろん、こうした変化があれば妊娠するということではありません。
反対に、体調に変化を感じられないからといって、妊娠できないということでもありません。
妊娠という結果だけを唯一の物差しにするのではなく、自分の体が以前と比べてどう変わっているのかを一緒に見ていくこと。
勉強堂薬局では、それも妊活の体づくりでは大切なことだと考えています。
漢方相談でも、
「前回から何か変わったことはありませんでしたか?」
とお聞きします。
その何気ない一言の中に、今の体質や、これからの体づくりを考えるためのヒントが隠れていることがあるからです。
焦って大きな変化だけを探すのではなく、小さな変化も一緒に確認しながら、赤ちゃんを迎えるための体づくりを続けていきましょう。
執筆者
柴崎 公美子
登録販売者
日本不妊カウンセリング学会 会員
サプリメントアドバイザー
勉強堂薬局で妊活・不妊相談を担当。病院での治療と併用しながら、お一人おひとりの体質や生活習慣に合わせた漢方相談に取り組んでいます。


