2026.09.11
「まだ20代だから大丈夫」と思っていても、年齢だけでは分からない体の状態があります。
強い生理痛や経血の塊、お腹の冷えなどがある方は、妊活をきっかけに毎月の生理や基礎体温を一度振り返ってみませんか。
一人目はすぐ妊娠したのに、二人目がなかなか授からない
こんにちは。
小諸市の勉強堂薬局です。
今回ご紹介するのは、20代前半で二人目のお子さんを希望されていた方です。
一人目のお子さんは比較的早く授かったものの、二人目を希望してから1年3か月。
タイミングを取っていましたが妊娠に至らず、インターネットで調べているうちに「二人目はなかなか授からないこともある」と知り、不安になって勉強堂薬局へ相談に来られました。
お話を伺っていくと、いくつか気になる体調がありました。
- お腹の冷えが強く、夏でもお腹にカイロを貼っている
- 生理痛が強く、痛み止めを服用している
- 経血にレバー状の大きな塊が混じる
- 肩こり、腰痛がある
- 貧血がある
- イライラしたり、気持ちが落ち込んだりする
- ストレスを感じることが多い
さらに基礎体温を確認すると、高温期は比較的安定していましたが、低温期には体温の上下が目立ち、安定しにくい状態でした。
20代前半という年齢だけを見れば、「まだ若いから」と思うかもしれません。
しかし漢方相談では、年齢だけで妊活の体の状態を判断することはありません。
生理や基礎体温、冷え、疲れ、ストレスなど、今の体に現れているサインを一つずつ確認することが大切です。
漢方では「瘀血」という体質を考えました
この方の場合、特に注目したのが、
強い生理痛、経血の大きな塊、お腹の冷え、肩こりや腰痛
といった症状です。
漢方では、このような症状が重なっている場合、「瘀血(おけつ)」という血の巡りが滞った状態を考えることがあります。
「血」というと、現代医学の血液をイメージすると思います。
漢方でいう「血」は、血液そのものだけではなく、全身に栄養や潤いを届け、体を支える働きまで含めた考え方です。
そして「瘀血」とは、その血の巡りがスムーズではなくなっている状態を表します。
ただし、
「生理痛があるから瘀血」
「経血に塊があるから瘀血」
と、一つの症状だけで体質を決めるわけではありません。
月経の状態や基礎体温、冷え、肩こり、精神的な状態なども合わせて、その方の体質を考えていきます。
📌POINT 強い生理痛は「いつものこと」で済ませないで
「昔から生理痛が強いので、これが普通だと思っていました」
という方は少なくありません。
しかし、痛み止めが必要なほどの強い生理痛や、大きな経血の塊が繰り返しみられる場合には、婦人科で一度確認しておくことも大切です。
強い生理痛には、子宮内膜症や子宮腺筋症、子宮筋腫などの婦人科疾患が関係していることもあります。
妊活中であればなおさら、「体質だから」と決めつけず、病院で確認することと、漢方で体質を見ることの両方を大切にしましょう。
妊活で「血の巡り」を大切にする理由
では、なぜ妊活の漢方相談で瘀血に目を向けるのでしょうか。
妊娠には、排卵、受精、胚の成長、着床など、さまざまな過程があります。
そのため、「瘀血があるから妊娠できない」という単純なものではありません。
一方、漢方では妊娠に向けた体づくりを考える際に、体に必要な「血」が十分にあり、その血が滞りなく巡っている状態を大切にします。
勉強堂薬局ではこれを、
血を「満たすこと」と「巡らせること」
とお話ししています。
特にこの方のように、強い冷えや生理痛、経血の塊など、瘀血を考えるサインがいくつもみられる場合には、血の巡りを整えていくことも、赤ちゃんを迎えるための体づくりの一つとして考えます。
「冷え」と「ストレス」も一緒に見ていきます
この方には、瘀血のサインだけでなく、非常に強い冷えがありました。
夏でもお腹にカイロを貼るほど、お腹の冷えを感じていたのです。
漢方では、冷えが強い状態では血の巡りにも影響すると考えます。
ただ、「冷えているから、とにかく温めればいい」というわけでもありません。
なぜそこまで冷えを感じるのか。
食事はきちんと取れているか。
胃腸の調子はどうか。
睡眠は取れているか。
貧血はないか。
こうしたことも一緒に確認する必要があります。
また、この方にはイライラや気持ちの落ち込みなど、ストレスを感じている様子もありました。
漢方では、ストレスなどによって「気」の巡りが滞ることを**「気滞(きたい)」**と考えます。
気と血は別々ではなく、気の巡りが悪くなることで血の巡りにも影響すると考えるため、瘀血だけを見るのではなく、ストレスや精神的な状態についてもお聞きします。
💡漢方コラム 瘀血対策=血を巡らせるだけではありません
「瘀血なら、血を巡らせる漢方を飲めばいい」
と思われるかもしれませんが、実際の漢方相談はそれほど単純ではありません。
今回の方には「貧血」もありました。
体に必要な血が不足している状態を、漢方では**「血虚(けっきょ)」**と考えることがあります。
つまり、
血の巡りが滞っている「瘀血」
と、
必要な血が不足している「血虚」
が同時にみられることもあるのです。
その場合、巡らせることだけではなく、必要な血を満たしていくことも考えなければなりません。
だからこそ勉強堂薬局では、妊活相談で**血を「満たすこと」と「巡らせること」**の両方を大切にしています。
毎月の生理は、今の体質を知る大切なサイン
妊活中は、どうしても「今月は妊娠しているかな」ということに意識が向きやすくなります。
しかし、生理が来たときには「今回もダメだった」と終わらせるのではなく、どのような生理だったのかを確認することも大切です。
生理痛は強くなかったか。
痛み止めが必要だったか。
経血に大きな塊が出ていなかったか。
経血の色や量はどうだったか。
お腹や手足の冷えはどうだったか。
そして、基礎体温はどのように推移していたか。
こうした毎月の変化には、今の体の状態を考えるためのさまざまな情報があります。
特に一人目をすぐに授かった方の場合、
「一人目はすぐ妊娠したから、二人目も大丈夫」
と思われるかもしれません。
しかし、一人目の妊娠・出産を経て、体調や生活環境が変化していることもあります。
過去の自分ではなく、「今の自分の体はどうなのか」を見ていくことが大切です。
20代でも「まだ若いから」だけで考えないで
妊娠を考えるうえで、年齢は大切な要素の一つです。
しかし、年齢が若いことと、妊活に向けて体調を整える必要がないことは同じではありません。
20代でも、強い生理痛や経血の塊、お腹の冷え、肩こりなどがあり、漢方でいう**「瘀血」**の傾向がみられる方はいらっしゃいます。
漢方では、このような血の巡りが滞った状態も、妊娠に向けて整えておきたい体質の一つと考えています。
もちろん、瘀血だけが妊娠に影響するわけではありません。
必要な血が不足している「血虚」、疲れやすくエネルギーが不足している「気虚」、ストレスによって気の巡りが滞る「気滞」など、一人ひとり体質は異なります。
そのため、年齢だけを見るのではなく、生理や基礎体温、冷え、疲れ、胃腸の状態、睡眠、ストレスなどを一緒に確認していくことが大切です。
🔴 20代でも、体質的に瘀血の傾向があり、妊活に向けて血の巡りを整えることが大切な方はいらっしゃいます。
勉強堂薬局では、瘀血だけを見るのではなく、その方に必要な血が十分にあるか、きちんと巡っているかなどを確認しながら、**血を「満たすこと」と「巡らせること」**の両方から、赤ちゃんを迎えるための体づくりを考えています。
「まだ20代だから」と年齢だけで考えず、生理痛や経血の塊、冷え、基礎体温など、体調面で気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
執筆者
平尾 利枝
薬剤師
日本不妊カウンセリング学会 会員
勉強堂薬局で妊活・不妊相談を担当。薬剤師としての知識を生かし、病院での検査や治療状況も確認しながら、漢方の視点からお一人おひとりの体調や体質に合わせた妊活の体づくりをサポートしています。


